■精子バンクの利用は意外とリーズナブル
精子バンクを利用して精子提供者とマッチングしてもらうというサービスを利用する際には、いくらぐらいの費用がかかるのでしょうか。この場合、基本的に日本では精子の売買が禁止されているため、男性の精子提供者はボランティアとなります。精子バンクに対して女性が支払う費用もまた、医療機関において人工授精の一環として行う非配偶者間人工授精治療と比べると、驚くほどにリーズナブルです。
男性はボランティアで精子を提供するため、男性が精子提供場所まで足を運ぶ際にかかる交通費については、女性側が負担することになります。タイミング法での提供では、ホテルなどの個室が必要となり、その個室を確保する際にかかる費用もまた、女性側の負担となります。
シリンジ法における精子提供では、男性が精子を持ち運ぶための専用容器が必要です。これらは、数百円〜ぐらいなので、それほどまとまった費用になることはないでしょう。
■公的な医療機関で行う治療は高額
民間の精子バンクではなく、国に登録している医療機関が運営する公的な精子バンクを使う場合には、利用費用が大きく異なります。医療機関における精子提供は、不妊治療の一環として行う非配偶者間人工授精(AID)という方法のみとなります。医療行為として人工授精を行うため、タイミング法やシリンジ法による妊活と比べると、妊娠する可能性は高くなるというメリットがあります。しかし一方で、健康保険が適用されない自由診療となり、費用は数百万円〜とかなり高額になる点がデメリットです。
しかも、確率が高いと言われている病院での人工授精ですが、必ず1回の精子提供で妊娠できるとは限りません。場合によっては複数回の提供が必要になるケースも多く、その際には、費用はさらに高くなってしまいます。
■非営利団体の精子バンクは多い
民間の精子バンクは、それぞれ女性がサービスを利用する際に支払う費用の設定が異なります。精子提供をする登録者とのマッチングサービスに対して料金を徴収するバンクもあれば、1回の利用で2万円〜3万円程度がかかるというバンクもあります。
精子バンクを探す際には、どんなサービスにいくらの料金がかかるのかという点を比較検討しましょう。ただし、ただ料金だけを比較するのではなく、男性が精子ドナーとして登録する際に、精子検査などの検査を受けているかどうかという点も、忘れずにチェックしましょう。安すぎても、提供される精子の質に問題があるのでは、後からトラブルになりかねません。