どんな人が精子提供者になっているの?

■精子提供者はバイト?それともボランティア?
精子バンクへの精子提供は、海外では大学生や医学生が行うアルバイトとして人気があります。しかし日本では、精子の売買は禁止されているため、アルバイトとして精子の提供をする事はできません。精子は臓器の一部として考えられているため、万が一精子の売買をすると、罰則として5年以下の懲役、もしくは500万円以下の罰金刑となってしまいます。

そのため、精子の提供は基本的にボランティア、という位置づけとなります。精子バンクの中には、バンクに登録する際に健康診断や精液検査、性病検査を義務付けている所があり、その場合には検査にかかる費用は精子の提供者が自己負担することになります。

■どんな人が精子提供者になるの?
精子の提供者になるためには、精子バンクごとにいくつかの条件を定めています。基本的には性病などにかかっておらず、心身共に健康な男性なら、バンクへ登録することは可能です。しかし精子提供者は、提供を受けたいという女性が現れたら、排卵日のタイミングに合わせて精子の提供を行うと言った作業が必要となります。そのため、女性の妊娠を応援しようという気持ちがある人という点もまた、精子提供者に求められる条件と言えるでしょう。

また、タイミング法による精子提供を希望する女性の場合には、もしも可能なら排卵日のタイミングに合わせて性行為をする事も求められます。もちろん、配偶者や家族がいる精子提供者の場合には、タイミング法には応じないというルールを作ることも可能です。タイミング法にするのか、それともシリンジ法にするのかは、精子提供を受けたい女性と、提供する男性とで面談し、お互いに納得できる方法を選ぶことになります。

■ニーズが高まる精子、しかし提供者は減少
精子のニーズは、年々増加する傾向にあります。その背景には、いろいろなものがあります。例えば、食生活や生活習慣などが原因で不妊となる男性が増えていたり、結婚はしないけれど子供は欲しいという女性が増えている点も、理由と考えられるでしょう。さらに、女性同士のカップルが子供を望む場合にも、精子の提供は必要不可欠です。

しかしニーズが高まる一方で、精子の提供者は減少しています。その理由は、やはり欧米諸国のように、精子の提供によって報酬を得られないという点が考えられます。さらに、精子提供はボランティアですが、相手の女性の排卵日に合わせて、複数回の提供が必要となることもあります。その度にスケジュールを調整するという作業は、仕事をしている人にとっては簡単ではありません。男性にとっては、精子提供者になることは、大きな労力が伴うボランティアなのです。