日本でもLGBTQへの理解が広がり始めており、この言葉も耳になじんできました。
L(レズビアン)は自分の性を女性と認識したうえで女性を愛する人、G(ゲイ)は自分を男性と性認識しているうえで男性を愛する人、B(バイセクシャル)は女性も男性も両方ともを愛することができる人、T(トランスジェンダー)は自分の認識している性と体の性別が一致していない人のことを指します。こうした自分の性別に対する認識、性的好みの指向がはっきりしていない人のことをQと表記しています。
様々な考えの人があふれる世の中では、こうしたLGBTQの人たちは少数派とされてきました。少数派ということは「一般的・平均的」という観点から少し離れたところにいるイメージが持たれやすいです。
実際、LGBTQを自己認識していても公言しない人も多くいます。特に性的思考などセクシャルな部分は異性間であってもデリケートな部分で他人と比べる機会も少ないですし、そもそも比べることでもないのですが、大半の人が異性愛者ということからLGBTQの人はより一線を画す存在となっているのが現状です。
また、日本では同性の婚姻が認められておらず、一緒に住むための部屋の契約や入院などの身内としての手続きなどにもたくさんの制限がかけられています。
仕事や食事などの日常生活は異性愛者となにも変化はありませんので、こうした一部の制度の拡充や理解を深めていくことは非常に重要です。
・子どもを育てたいと考えるなら精子・卵子提供も選択肢のひとつ
LGBTQであっても愛する人とともに子どもを育てたいと考える人がいることもごくあたりまえのことです。
性的指向の観点からすると男女の夫婦のように性交渉を経て子どもを授かるというのは難しいため、どちらかの精子・卵子に対して提供を受けるという選択肢になります。
提供相手に相手の異性の兄弟(レズビアンならその兄・弟)から提供を受けることで、相手の遺伝的要素を受ける子どもを望むことができます。しかし提供相手だけではなく親族を含めた周囲へのカミングアウトや提供におけるリスクや将来的なことからこの方法を取っているケースは多くありません。
乗り越える壁が多くあるLGBTQの人でも精子・卵子バンクを通して第三者から提供を受けることで子どもを持つことができるのです。
LGBTQの親を持つ子どもは日本にもいます。家族のかたちが多様化しているとはいえ、自分たちと違うからという理由で距離を取られたり攻撃されたりする可能性もあります。その子たちが受け入れられるよう、なんの区別をすることもされることもないように教育していく必要があります。そして制度改正や偏見を減らすことへと繋がっていくことになります。