■公的な精子バンクは不妊治療の一環として
公的な精子バンクを利用しての精子提供は、精子の提供者を特定できないだけでなく、提供者と面談をする事もできません。結婚している夫婦が不妊治療を受ける過程での治療の一環として、非配偶者間人工授精(AID)を行います。
具体的な流れとしては、まず不妊治療を行う医療機関で夫婦そろって検査を受けます。もしも精子に問題があると診断された場合には、選択肢の一つとして精子提供による人工授精治療を提供されます。人工授精に使われる精子は、冷凍保存されていたものが多いという特徴があり、医療機関で提供を受けます。
■民間の精子バンクの流れは?
民間の精子バンクの多くは、ネットで申し込むことができます。バンクによって具体的な流れには若干の違いがあるものの、ネットで申し込んだら、まずは精子バンクのスタッフとカウンセリングを行い、希望する精子提供者の属性を決めたり、これまでの状況や今後の希望などをヒアリングしていきます。スタッフとのカウンセリングは、対面で行うケースもあれば、Webミーティングやメールでのやり取りでOKという業者もあります。
その上で、精子ドナーとのマッチングを行い、精子提供者と面談します。精子提供者との面談には精子バンクのスタッフが同席しないケースもあります。この面談によって、精子を提供する男性側と、提供を受ける女性側とで納得できる方法や日程を調整することになります。
民間の精子バンクの中には、面談当日でも精子の提供が可能という所もあります。できるだけ少ない提供回数で妊娠するためには、排卵日の直前ぐらいのタイミングで精子提供者と面談し、当日の提供を受けるという方法も可能です。
■精子提供はどこで受けるの?
タイミング法による精子提供では、民間のホテルなどを利用して、排卵日に合わせて性行為を行うという形で精子の提供を受けます。一方、シリンジ法の場合には、排卵日に合わせてホテルのロビーやカフェなどで女性と精子提供者が待ち合わせをし、男性がプラスチックの専用容器に入れて持参した精子を女性に手渡すという方法が多いです。
タイミング法とシリンジ法、どちらの場合でも、一度の提供で妊娠しない場合には、複数回の提供を受けることができます。そのため、精子提供者を選ぶ際には、お互いに待合せられる距離で相手を選ぶことが大切です。遠方に住んでいる精子提供者では、交通費などでコストがかかる他、精子提供者の都合が悪くてなかなか提供してもらえないといったトラブルが起こるリスクがあります。注意しましょう。