■日本国内で精子が入手できない人におすすめ
精子提供は、日本国内でもいくつかの選択肢があります。しかし、医療機関で行う人工授精は、高額な費用がかかるだけでなく、結婚している夫婦でなければ利用できないなど、誰でも精子提供を望めば利用できる訳ではありません。また民間の精子バンクでも、なかなか希望に合う提供者が見つからなかったりして、精子が欲しいけれどどこから入手すればよいか分からないという人は、少なくありません。
そんな人におすすめなのが、海外の精子バンクを利用するという方法です。海外では、精子を売買することが法律によって認められている国がたくさんあります。そうした国では、男性がアルバイトとして精子の提供を気軽に行っており、バンクが提供された精子を冷凍保存し、ニーズに合わせて世界中へ発送するというシステムが確立されています。海外の精子バンクの中には、クリオスのように日本に窓口を設置している所もあり、利用しやすい環境が整備されています。
■海外の精子バンクを利用するメリットとは?
海外の精子バンクを利用するメリットは、いくつかあります。1つ目は、精子提供者と関わりを持たずに済むという点です。民間の精子バンクを利用する場合、多くは精子提供者と直接面談し、シリンジ法で提供してもらったり、タイミング法ならその提供者と性行為をする事になります。それまでの人生であまり関りがなかった男性と何回も顔をあわせることに対して、抵抗を持つ人は少なくありません。精子は欲しいけれど、それがどの男性の精子なのかは知りたくないという人にとっては、海外の精子バンクが魅力的です。
2つ目のメリットは、日本のAIDと比べると格安で利用できるという点です。海外精子バンクの中には日本の医療機関と提携している所も多く、日本国内で精子提供が難しい際には、医療機関も選択肢の一つとして検討しています。ドナーの人種や血液型を選ぶことはできるため、AIDに変わる選択肢の一つとして検討する人もたくさんいます。
■海外の精子バンクの気になるデメリット
海外の精子バンクを利用する際のデメリットですが、郵送費が割高という点が挙げられます。例えばヨーロッパから精子を郵送してもらう場合だと、タンクに液体窒素を充てんした状態で日本へ送るため、送料だけでも10万円以上かかってしまいます。
2つ目のデメリットは、海外の精子バンクでは精子を冷凍保存するため、どうしても精子の質が劣化してしまうという点です。精子が劣化すると妊娠する確率が低くなってしまうため、海外の精子バンクを利用する際には、一度に複数回分の精子を購入するのが一般的です。